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|まいにち|うまみ日記|

横浜にて、輸入食品の現場を見てきました

三鷹市のJA東京むさし さん主催の「横浜税関視察ツアー」に参加してきました。

場所は、ランドマークタワーのすぐ近く。場内は撮影禁止なので、入る前にチラッと撮影。噂には聞いているもの、どんな現場なんだろうかと思い、心を引き締めて入ります。

今回アテンドくださったのは、横浜港湾労働組合の方です。

日本の輸入食材は86%がコンテナで輸入されている。しかし、その検査率は10%にも満たず、実地検査は殆ど無く書類審査のみだという。

…え?ちゃんと日本政府がきっちりかっちり管理してるんじゃないの??とまず疑問。

実地検査は検査官の「人手が足りず」難しいようだ。多くのコンテナを一刻も早く流通に戻さねばならないということが前提とのこと。実際には、実地検査がないために、中身の詳細が分からないまま国内へとスルーしていく"輸入品"の数々。(といった特徴から、武器の密輸に度々使われている)

本当にそれが真実なんだろうか・・と疑いつつ、ツアーは倉庫街の奥へと進みます。

倉庫街の奥へ進むと、コンクリートの上に鉄筋と布で簡易的に作られたテントが立ち並ぶスペースの一角へと案内される。テントの外に山積みされていたのは、大きさが60センチほどの薬品ボトルのような青色のプラスチックケース。

ケースには「ヒラタケ」と記載。中には液体に浸かったキノコが大量に入っている。この状態で野ざらしにされたまま、ここで数年間加工されるその時を静かに待っているそうだ。加工後のパッケージの原材料には「酸化防止剤」や「漂白剤」などの文字が並んでいるものの、一体何種類の薬品が使われているのかは分からない。国産品と比較すると、原材料の価格は30分の1程度。品質をとるか価格を取るか…決めるのは自分自身であることに気づかされる。

さらに目に入った、別のケースには「コゴミ」という表記。そこには 2210013 という数字があり、「22年10月13日に入ってきた」という意味とのこと。

22年は、今から2年前ですよね(ーー;)

そして、そのケースには風雨に晒され劣化した「産品合格証」という中国のラベル。合格証の期限は…そこには書いていない。「加工品」として合格なのか、「腐敗しない」という点での合格なのか…。


最後に入ったテントは、何故か入口の前に荷物が積まれている。業者に寄せてもらい中へ入ると、そこには目を疑う光景が広がっている。食品と一緒に、家電製品(液晶テレビ)が置かれていたのである。手前には異臭を放つ「ニンニク」の塩漬けが、その奥には木箱に入ったキュウリの塩漬けの山、茄子や大根の塩漬けも並んでいる。異臭の中に並ぶ木箱、そしてパッケージをまとって整然と並ぶテレビの姿は異様な空気を放っている。


ふと目を加工品のラベルにやると、材料表示が「茄子・塩」のみ。

これは、私にも分かる嘘。茄子はプリプリツヤツヤ。
塩のみを使う、腐敗菌や発酵する菌が働かないような環境にするための塩漬けでは、茄子はこの艶やかさを保っていられるはずがないし、まして気温が乱高下する外気にさらされている環境下では、まず無理。


ラベルには大手加工食品会社の名前が記載されている。
外部の人間の目に触れるからだろうか、塩漬け大根のラベルには生産者「王○◯」の名前が書かれ、原材料は茄子同様に大根・塩のみ。加工日にいたっては2012. 4. 5と最近の日付が記載されている。しかし、その加工に使った大根はいつどこでどれ程の期間保存されていたものかは、このラベルからは読み取ることができない。。

…といったところで、様々な疑問とともに倉庫見学は終わりました。
私の見た食品?と呼べるかどうか怪しいものが、本当に流通しているのかどうかは分かりません。加工→流通に関するすべての現場を見たわけではないので。倉庫の"輸入食品"はコンテナ一台分もなかったからということと、企業のイメージダウンとも言えるあの状況をどうして一般の見学者に公開しているのかという謎に対する疑問が、まだ私の中から消えていないからです。

ただ、あの輸入品を食品に変えるとするならば、以前見た安部司先生の講義をそのまま再現すると良いわけで、塩抜きをする→各種化学調味料を適量使い「美味しさ」を再現→最後は見た目を薬品で色付け で完成するはず。

「人は何もしなくても一日180種類以上の食品添加物を摂取している」定義の薬品の品目に、確実になるわけで。。。…と考えたところで、どうにもこうにも進まず。誰も攻められない。だって、実際に買う人がいるわけだから。作る人だって、(犯罪にならない限り)自分に利益のあることをして生きていかなくてはならないもの。

あれこれ考えるよりも、私は自分自身の答えとして結論づけました。
自分で作る旬の野菜が畑にあって、自分が好きな調味料で食べる。たくさんとれるときには保存食に加工する。そして、味噌と醤油と米と少しのお肉があれば良いし、これが一番のごちそうだもの。


<視察ツアー後半へと続く>

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