寒仕込み。
なぜ寒い時期に行われるのでしょう?
それは、味噌作りに欠かせない麹の酵素と微生物にゆっくりと醸してもらうため、他の菌がなるべく働かない時期を選ぶから。温度が低い時期に「発酵」を進め、暖かい時期に味や香りに深みや濃厚さを出す「熟成」をしてもらうと、良いお味噌を作ることができます。
先週のfood×slow×foodでは、手作り味噌教室を開催させていただきました。
私の味噌教室でまずすることは「味噌作りの心得」から。
3箇条のひとつをご紹介しますと→「愛を持ってみそと接すること」(笑)
やっぱりね、おいしいものは最終的に愛ですから。
そんな心得の紹介や、味噌作りの流れを説明したあと、いよいよ作業に入ります。
今回使用したのは、蒸し大豆。
自宅での味噌仕込みで一番大事なのは、やっぱり大豆。茹でてしまう方が多いと思うのですが、茹でることで大事な大豆の成分が茹で汁と一緒に流れでてしまい、色や香りにも影響が出てきてしまうことから、実はあまりオススメしていません。
今回のように味噌教室では大量の大豆を使うので、味噌屋さんが作った蒸し大豆を真空パックしたものを湯煎で温めてから使いました。
使う塩については、通常は発酵のコントロールをしやすいよう、塩化ナトリウムの純度が高いものを使うのですが、今回は海のミネラルを少し取り入れて自由な発酵を楽しんでもらいたかったので、純度が少しだけ低いものを選んでみました。これにより、個人が自由に「発酵」を楽しむことの出来る味噌が仕上がるのです。
麹は味噌屋仕込みの乾燥麹。
それから、発酵のきっかけを促してくれる若い味噌も取り入れます。発酵が盛んな味噌を仕込みに使うことで、仕込みに使う麹の酵素がちゃんと働き出すまでの間のサポートなど、「発酵」の下支えをしてくれます。
皆さんに持ってきていただいたすりこ木とすり鉢で、つぶします。ひたすらに無心で。
次に、塩きり麹をつくり、潰した大豆を合わせて味噌玉を作ります。
味噌にぎりタワーがあちこち。
樽に詰めて完成後、特製ステッカーを貼り付けて完成。
皆さんの樽+いい顔ショットも撮らせてもらいましたが、これは私のココロの中にしまってます。
そして、最後は軽食ランチ。
皆さんがお家で使っているお椀でを持ち込んでもらって 「いただきます」
今回も私のお野菜が登場してます。はっ@@ ごはん写真がなかった。
こちらがテーブルコーディネートイメージ。
メニューは、お味噌汁とごはん、生卵、野菜とキノコとお肉の特製タレ炒め、人参の胡麻鰹和え、自家製ビールタクワンなどなど。旬っていいなぁ。
お持ち帰りいただいた味噌子たち、完成は半年後~です。
それぞれのお宅の環境も違えば、切り返しのタイミングも違いますよね。
それが、味噌の独特の持ち味となって、各家庭それぞれ別の味へと変化するのです。
「手前味噌」ということわざのように、自分の味噌は美味しいのよ♪って自慢したくなっちゃうことを祈りつつ。
どんな子たちに育っていくのでしょうか。
良い子に育ちますよう、心より願っております。
ご参加ありがとうございました!
food×slow×food
古谷しおり
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